Unlimitedに上機嫌

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1週間経ったいま、紅白に思うこと。

気付けば、年末年始と呼ばれる期間が過ぎた。普段テレビを見ない(ない)日々を過ごしているが、三日間(31~2日)は常にテレビがついている空間にいた。たった3日間だったが、音があるのがデフォルト設定になってしまったらしく、帰ってきてから2日ほどはしんとした我が家に物足りなさを感じた。

1日はゲームをしながら、2日は体調不良だったので、ちゃんとテレビを見たのは31日だけ。向こうに着いたのは夕方だったので、結局年末年始に見たテレビ番組は紅白ぐらいになる。帰る前から演目はチェックしていて、見たいと思っていたアーティストは余すことなく見ることができた。どれもパッとなかった、というのが1週間経った率直な感想。そう感じるのは、ベテラン勢が減ったからだと思う。ベテランというのは、紅白の常連を指す。

紅白の本質は、年に一度「あの人」を見るための展覧会なんだと思う。「あの人」は、北島三郎だったり、美川憲一だったり、SMAPだったりする。一緒に見たのが幼馴染夫婦だったというのもあるだろが、「この人(たち)はいつまでも変わらないね」という会話は一度も生まれなかった。個人的には、郷ひろみが映された時に感じたが、同世代の彼らには共感してもらえないだろうと思い声には出さなかった。「近年の紅白は、出場者の若返りが図られている」。よく耳にする若い人にも見てもらうための戦略が、今年もハッキリと表れたと思う。3組に2組は、ジャニーズや坂道グループ、K-POPグループなどの「今ピークを迎えた同じ顔」が映し出されていた。番組終了まで「みんな顔が同じで区別できない」というセリフを繰り返した。

「デビュー〇周年」を引っ提げた出場者が何組かいた。その筆頭である工藤静香篠原涼子は、まさに「いつまでも変わらないでしょ」を見せつける戦いが繰り広げられていたと思う。本来の紅組VS白組という枠組みを無視して。昔は、演歌ばかりの紅白が嫌いだった。今も演歌は聞かないし、若い人向けのアーティストに出てもらった方が知っている曲も多くて聴きごたえはある。しかし、お決まりの演歌歌手や歌謡曲シンガーが減ると同時に、年に一度「あの人」を見るプレミア感は希薄になる。昨年も、加山雄三氷川きよしなどの常連組が紅白引退を宣言していた。2023年はどんな曲が流行るのか分からないが、出場回数1桁アーティストが大半を占める紅白となることは必至で、ピークの人たちを魅せる回となるだろう。

スマホでどこでもいつでも見られるようになった現代。ますます「一か所同時性」が希薄になる中で、せめて紅白を見ているときぐらいは、世代の違う人同士が共通の「あの人」について語りたいもの。若者を取り込むことは大事。しかし、NHKは国営で非営利団体であるはずだから、視聴率を気にする必要はないはず。それに、「おにごっこ」を2番組で放送しているし、紅白の数字を奪う力は民放にはないことが分かった。日テレのあの番組が復活しない限りは、古き良き文化を残すことに注力しても良いのではないだろうか。