Unlimitedに上機嫌

「お金はかけずに学びたい」をコンセプトに、年間300冊を読む無職がPrimeReading対象本を紹介するブログです。

式場で露呈した、語彙力と質問力不足

披露宴会場の選定もかねて、試食会にいった。1人1,700円でフレンチの簡易的なコースを頂いた。簡易的と聞いていたが、量も質も十分すぎるぐらいで、何でも高い今のご時世では勿体ない気持ちになった。成約のために赤字覚悟でやってくれているのかもしれない。ただ、パートナーの反応を見る限り、ここに決まることはなさそうで、冷やかしをしたような心苦しさを感じている。まあ、明日になれば忘れているだろうが。
最初は会場スタッフの方が給仕をしてくれていたが、メイン以降はシェフが自ら料理の説明してくれた。スキンヘッドの恰幅の良い男性で、いかにも料理人という風格があった。職人気質な硬めの説明にたじろいだが、自分の変わった苗字に触れてくれたのを機に親近感が湧き、会話をしようとするようになった。感情は読みにくいがお喋りは好きなようで、料理の説明後も話が途切れない。話を聞きながら食べるのは失礼だと思って手を止めていたが、食べないのも失礼か。そんなことを考えていたので、あまり味わった感じはしない。口にするたびに何かコメントをしなければいけないと思い、乏しい引き出しをひっくり返して何かを発する。「おいしい」「うまい」「なるほど」。不思議と、この3つに頼らざるを得ない。なんと情けない。時に、「おもしろい」などという、奇想天外なワードが飛び出す。グルメ番組などで苦しめ紛れにタレントが「面白い」と発する気持ちがよく分かる。人は、初めて食べるものと相対した時に出せる語彙は「面白い」ぐらいしかない。「興味深い」だと評論家くさいし、「すげー」ではあまりにガキっぽい。知性と賞賛をいい感じに示すには、「面白い」がちょうど良いのだ。
今日思い知らされた、実力不足は感想コメントだけではない。「初めて話す相手との会話で、その人のコミュニケーション力の真価が問われる」。どこかのノウハウ本に書かれていた。今日初めて会ったシェフとの会話で、自分のコミュ力の低さが浮き彫りになった。その原因を考えてみると、質問力のなさが大きいと感じる。シェフの方が師と仰ぐ方は、現在フランスで店をやっていると聞いたときに、「将来、フランスでお店を開きたいですか?」と質問を投げた。「フレンチシェフはみんな、将来フランスで店を持ちたいと考えている」という偏見に満ちた程度の低い質問だと思う。ただそんな愚問にも「フランスでは思いませんね。食材が限られているから」と、ちゃんと答えてくれたシェフに感謝感謝。他にも、「料理人さんって、普段インスタントとか食べないでしょ?」という質問もしてしまった。これも、「料理人はちゃんとしたものを食べているに違いない」という低レベルなイメージを持っている表れ。どうして、もっと質問される側が答えたくなるようなことを聞けないかね。近日中に、齋藤孝さんの『質問力』を読み返して、あの時どんな質問をすればよかったのかを再考しようと思う。