Unlimitedに上機嫌

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自分の不機嫌が、彼女を不機嫌にした

自分はよく水をこぼす。冬にはカーペットの上に、夏には茣蓙の上に約200CCの水をひっくり返す。昨日もパートナーと一緒にリビングで過ごしている時にやってしまった。その時の彼女の反応が印象的だった。のちに腹を割って話すことになるのだが、その時の表情からは「またやってるやん。もぉ」という感情が聞こえてくるかのようだった。真っ先にその表情と考えを読み取ってしまったため、ふきんを取りに行く気がそがれた。気づけば彼女はテキパキとタオルで床をポンポンし始めている。「自分の尻は自分で拭かねば」と理性と自分の年齢を思い出し、台所からキッチンペーパーを持ってきてポンポン作業に合流する。

手を絶えずカーペットに刺激を送り続けているが、頭では先ほどの彼女の表情を考えていた。その時の表情を言語化するなら、「悪さをした子供に向けられる親の呆れた顔」だ。自分を3歳児の気持ちになれる想像力は、過去のトラウマによるものなのか、親になった時を身近に想像しているからなのかハッキリしない。多分両方で、「自分が子供だったらそんな表情しないでほしい」し、「自分が親だったらそんな表情を見せたりしない」強く思うのだった。実際、子育てに忙殺される日々の中では浮かべてしまうのだろうが。

ある程度水分をとれた時、彼女と話し合いになった。彼女も、ポンポンしている最中居心地の悪さを感じていたのだろう。話し合いの機会をくれた誠意に応えるため、こぼした直後の反応が寂しかったと伝えた。また、誰でも水をこぼすことはある、みんなカーペットに座っている時は手の届くところに水分を置いておきたいと考えるはずであること、毎回こぼすのは水だから放っておいてもいずれ乾くこと、とは言え一人でいる時にこぼしても毎回拭き掃除をしていること、などを3歳児のように熱っぽく語った。「非難する表情をしてごめんね」を皮切りに、当時思っていたことを教えてくれた。もうこれで3度目であること、私は一度もこぼしたことないこと、こぼれた時にすぐに拭こうとしなかったこと、すぐにごめんなさいと言われなかったこと、などを話してくれた。音声だけ聞いた人は、3歳児と親の会話だと思うに違いない。

今回自分の問題は、水をこぼしたことではなく、すぐに相手に謝らなかったことにあると気付いた。どうせ水だから大したことない、どうせ自分で処理する、どうせネチネチ言われる、という態度を終始取っていたのだろう。水を賭けられたわけではないから、本気で謝罪してほしいとは思っていない。しかし同じ空間にいる者として、終始反抗期のガキのような雰囲気をぶつけられて良い気分はしない。自分はいつも、お互い自分の機嫌を取ることを一番にしようねとパートナーに伝えている。上機嫌でいることが、気持ちよく暮らす秘訣だと思うし、何よりそれぞれの人生にとって最も大切なことであると考えている。水をこぼした直後に見た彼女の不機嫌そうな表情は、自分の不機嫌な態度が原因だったと反省している。謝れば何でもOKなわけではない。しかし、ふいに起こった過失に発する「ごめんね」は、自分の機嫌を保つ効果があるのではないかと思う。