Unlimitedに上機嫌

「お金はかけずに学びたい」をコンセプトに、年間300冊を読む無職がPrimeReading対象本を紹介するブログです。

Unlimitedに入るメリットは、「高橋洋一さんの本を読み漁れること」にあり!

約半年indleUnlimitedを使ってきた。一番良かったと感じるのは、「高橋洋一さんの本を読み漁れたこと」。高橋洋一さんとは、数理学者で長年財務省で官僚を務めた人。メディアでも引っ張りだこで、自身のYouTubeチャンネルの登録者は80万を超える人気者。まさに国の財政を作ってきた裏方でありながら、政治や経済を知らない人でも分かりやすい言葉で説明してくれる。

KindleUnlimitedで読める、高橋洋一さんが書いた本は17冊。「経済・会計」が8冊、「政治・外交」が7冊、「数学・統計学」が2冊。ジャンル分けしたが、情報収集力や歴史などの分野についても書かれており、17冊を読めばかなりの教養が身につくと言える。

自分はUnlimited対象の17冊を一通り読んだ。習熟度に差はあるが、それぞれの本で「何を得られるか」やどの順番で読むと良いかについてはかなり正確に伝えることができる。なので今回は、Unlimitedで読める高橋洋一さんの本をおすすめの順番で紹介していきたいと思う。

まずはこれから

これを一番に挙げたのは、高橋さんが「会計学は最も勉強しておいた方が良い学問」であると言っているからだ。本当にタメになる学問は全部で3つあって、会計学、数学、語学。会計学はお金の流れを知るため、数学は数式で書かれたものを読むため、語学は他国の事例を見るために必要だと言っている。会計学を学ぶと、世の中の真実が分かるようになる。本書ではそのことを、「丸裸にする」と表現している。こちらの記事でも書いたが、本書を読み終わったころには企業の実態を把握できるようになる。

primereadingss.hatenablog.jp

丸裸にできたか分からないが、ワイドショーでコメンテーターが披露する分析レポートに近いレベルのことは出来ていると思う。自分で投資をしない人でも、会計学を読む意味はある。なぜなら、誰もが家計という企業を運営しているからだ。これまで感覚で使ってきたお金も会計学の観点で見ると、誤りだったと気付くこともあるかもしれない。また、ニュースで流れてくる言説がいかにテキトーであるかに気づけるようになるかもしれない。

本の内容は、上の記事にまとめているので参考にしていただきたい。ざっくり言えば、本書を読めば以下のことが分かる・できるようになる。

  • BS(貸借対照表)が読める
  • PL(損益計算書)が読める
  • 決算書が読める
  • 企業の財務分析ができる
  • 国の財務分析ができる

経済学と聞くと、マクロやミクロを想像して難しそうな印象を受ける。しかし、本書にある一節が真実を語る。

経済の9割は、たった一つの図でわかる。

出典:『たった1つの図でわかる 図解経済学入門』高橋洋一

全面的な信頼を寄せる高橋さんだが、さすがにこれは言い過ぎ、釣り文句だと疑った。しかし、そうした根拠のない疑念は見事に払しょくされた。「たった1つの図」とは、「需要と供給の図」。

出典:アレコレ

中学の社会で見て以来、生涯で何度か見たことのあるバッテン。本書では、「経済とは需要と供給の話に過ぎない」という記述があり、自分たちの暮らしを理解するには「物価変動」と「経済政策」さえ理解すれば十分と説明されている。モノの値段(市場価格)は、需要(買いたい人)と供給(売りたい人)で決まり、それを図式化したのが上の曲線。市場はモノの値段を1つに決める場所で、価格は1秒ごとや1日ごとに決まる。株価を眺めていると分かるが、頻繁に株価が変わる銘柄は「買いたい人」「売りたい人」が多いことを指し、なかなか動かない銘柄は「買いたい人」「売りたい人」が少ないことを指している。世の中にあるものには、ほぼ値段がついている。値段がついているということは、需要(買いたい人)と供給(売りたい人)が存在しているということ。よく「経済が回る」という言い方がされるが、これは「いろんなモノの値段が付けられている」と言い換えることができる。世の中を理解するとは、モノの値段を考えるということ。モノの値段は需要と供給で決まるので、「経済の9割はたった1つの図で分かる」という言葉は誇張ではないことが何なく分かると思う。

2冊目として

『明解会計学入門』が理解出来たら、会計学の2冊目としておすすめしたい。本書は、「政治×会計学」。金融政策や増税などの政治ニュースではお馴染みのワードを、バランスシート(会計学)の観点で理解しましょう、というもの。「金融緩和=カネをばらまいてモノの値段をあげて景気を良くする」という平面で捉えていたものを、バランスシート(お金の流れ)で考えるとこうなるよというのが分かりやすく書かれている。冒頭で「バランスシートとは」という説明があるが、BSをマスターしたうえで読むほうが理解が速い。また、『明解会計学入門』を読んでも「バランスシートを読めたから何?」と感じている人にとっては、世の中(政治)をバランスシートで捉えると本質が見えるようになることが実感できる。ニュースを見ても、「善いか悪いか」の観点でしか語られることがなく、大体「国民の大多数が嫌だと感じている=悪い」という結論に至ることが多い。しかし、バランスシートで見ることができれば、そうした精神論的な見方を卒業でき本質を見抜くことができる。ひろゆきや成田祐輔がひと味違うコメントできるのは、数字(会計)を根拠に良し悪しを判断しているからだと言える。バランスシート的見方ができれば、あなたも「数字に強い人」の仲間入り。

この本も、実際の事例をもとに解説をするタイプの本。例えば、第1章にある「デフレと円高はなぜ良くないの?それを防ぐにどうすればいいの?」。デフレと円高を理解していないと苦しいので、『図解経済学入門』を読んだ後に手に取るべき1冊。本書を読むまでは、「デフレはモノの値段が下がるから、自分たち消費者には良くない?」という理解で止まっていたので、自分が見えていなかった部分を教えてくれて世界が広がった感覚を受けた。詳しくは本書を読んでほしいが、デフレで得する人はごく一部。景気の落ち込むと、多くの人が収入を減らすか仕事を失う。そうすると、消費は冷え込んでますます景気が低迷する。そうすると、為替にも影響が出て円高が進行する。円高が進行するとよりカネが回らなくなるので、景気の低迷が長引く。各国の政府がインフレ率2%を目標に掲げる理由が分かるようになる。ただ漫然と流れていた「完全失業率」や「消費者物価指数」、「為替」などの指標が線となって意味をなす。政治と経済って連動するんだな~ということに気づく。

外交を勉強するならこの1冊から。外交と聞いても、正直ピンとこない。なぜなら、一部の政治家がやるもので、中身が見えないから。安倍さんが存命だった時は、トランプやオバマとゴルフをする映像を見て「お気楽なもんだな」と思ったりした。ただ、あれも立派な外交だったのかも、と本書を読み終わった時に思った。外交とは、貿易と安全保障について他国と話し合うこと。なぜ貿易と安全保障なのかというと、自国を豊かにするため。日本だけで手に入るものだけで生活しろと言われたら、多分ほとんど人は不満を持つ。iPhoneも、パンも、チョコレートもなくなってしまうから。ということで、貿易は必要。だが、いつ戦争になってもおかしくない国と貿易はしたくない。チョコレートを食べるためにわざわざライオンの住処に近づきたくないように。というわけで、安全が約束されている仲の良い国と貿易したい。だから、貿易と安全保障はセット。安全保障が揺らぐと貿易が減るし、仲良くなると貿易は活発になる。日本の貿易で重要なパートナーは、アメリカ。日本の主力商品である自動車をいっぱい買ってくれる相手。自動車が売れなくなると日本の経済は落ち込むので、日本はアメリカと頻繁に会って安全保障について話し合う。日本に点在する米軍基地も、よく行われる共同軍事訓練も、お互い気持ちよく貿易するために必要なもの。このように、貿易と安全保障をセットに、外国との関係性を見ていくと世界情勢が見えてくる。

「本当にタメになる学問」の一つである、数学(統計学)に関する本。統計学の目的は、物事を数量的に捉えること。経済や政治のニュースは、大体人文言語(話し言葉)で表現される。だから、国葬は「税金で葬式をすること=国民の心情的にどうか」という論理を展開してしまいがちになる。国民の是非を取った調査結果も、統計の本質を知らないと「反対票が過半数を占める=国民のほとんどが反対してる」という結論に至る。統計学における重要な概念にバイアスがある。どんなやり方をしても、「統計結果=真実」とはならない。母集団まるまるを調査できないことがほとんどだし、出来たとしても設問次第で結果は大きく変わる。つまり、どんな統計にも何かしらのバイアスが潜む。某大学教授は、「人間は影響を与え合う動物」と言っていた。真実を知るためには、そのデータ(情報)にどんな影響が与えられているかを追求することだと言える。そして、そのためには統計学や数学的な知識が必要になる。