Unlimitedに上機嫌

「お金はかけずに学びたい」をコンセプトに、年間300冊を読む無職がPrimeReading対象本を紹介するブログです。

「成人の日によせて」

こちらのTwitterを発端に「体現止め」がバズっている。

https://twitter.com/KOKAMIShoji/status/1611178777027174408?s=20&t=A7jJol-4LNinZegaNMZKPw

Twitterのコメント欄は見るとろくなことがないと考えているので、世間がどのように反応しているのかは分からない。個人的には、ツイ主は正しい行いをしたと思う。正確に言えば、まともな行動をとったように映る。彼が新成人に伝えたいのは、「本を読め」ということ。どんな本でもいいと言っているのではなく、自分の頭で考えられるのを助けてくれる本を読めと言っている。「自分の頭で考えられるのを助けてくれる本」は具体的にどんな本なのか分からないが、多分「ちゃんとした本」を指すのだと思う。世の中には、プロがチェックしたのか疑いたくなる本がたくさんある。内容もさることながら、誤字や文法の誤りが直されずに出版されているものがたくさんある。今はネット出版という形で誰でも本を出せる時代になった。その全てが「ちゃんとしていない本」とは言わないが、多分この文章を書いた人が読んでほしい本ではない。「売れる本」と「ちゃんとした本」は違う。多くの人が読みやすいような、例えば体現止めが多用されている本が売れることは往々にある。むしろ、ヒットを狙うなら普段読まない人が読みやすい文章で書く。この人は、「ちゃんとした文章で書かれたちゃんとした本を読め」と伝えたかったから、「変な文法でウケのいい文章に変えろ」という要求をのめなかったのだと思う。ものを書くプロフェッショナルとして、ちゃんとした文章を届けたいというプライドを守っていてカッコイイじゃないかと思う。

今回書きたかったのは、文法論ではない。「もし、自分が新成人に向けた文章を依頼されたら」について書こうと思っていた。構成を考えずに思い付きで筆を進めるクセ、そろそろやめたい。

題:成人の日によせて

成人、おめでとうございます。さて、「成人になる」とはどういうことでしょうか?

僕は、「自分の機嫌を取ること」だと思っています。不機嫌をまき散らさないということも出来ますね。

これが、なかなか難しいことです。毎朝満員電車に揺られる人たちを見れば、すぐにそのことが分かります。多くの人は、眉間にしわを寄せながら不機嫌そうにスマホをいじっています。

家庭でも、親から理不尽にキレられたことはありませんか?ちょっと起き出してくるのが遅かった時やなかなかお風呂に入らなかった時、「どうしてそんなに怒るの?」と一度くらい感じたことがあるかもしれません。自分は癇癪持ちな少年だったので、親から理不尽な要求や指摘をされると感情的に反応していました。怒りだす自分を見て親は飽きれた顔をする、それを見てより感情を爆発させる。そんな日々だったと思います。

よく「大人な対応」と言いますが、あれは「誰かの不機嫌を不機嫌で返さないこと」をいいます。最上級の「大人な対応」は、「誰かの不機嫌を上機嫌で返すこと」です。しかし、これができるようになるには自分で自分の機嫌をとれなければいけません。

では、「機嫌がよい」とはどういう状態を言うのでしょうか?それは、何かをしている状態をいいます。お風呂に入る前を想像してください。冬の今は、特になかなか入るのがおっくうに感じます。誰かと住んでいる時は、何度も催促されてようやく入ることもあるでしょう。しかし、入っている時に不機嫌を感じることは一度もないはずです。頭や体を洗っているときも、タオルで拭いているときも、イライラすると感じたことはないはずです。そして、上がったら必ずさっぱりとして気持ちがいいものです。このように、人間は何かをしている最中は自分で自分の機嫌を取ることが出来ます。

「何かをする」の「何か」には、一つポイントがあります。体を動かすことです。スマホを見るのも「何かをしている」と言えそうですが、体はほとんど動いていません。むしろ体を動かさずにじっとしていなければ、集中して見ることができません。しかし、本は違います。ページをめくるために手を動かします。人によっては、気になったところに線を引いたり、メモを書いたりするためにも体を動かします。体を動かすという意味では、読書はスポーツだと言うこともできます。

どんな時も上機嫌でいることは大変です。しかし、体を動かすことは簡単です。欠伸をしたり背伸びをしたりするだけでも、体は動きかなり機嫌は良くなります。「今の自分、機嫌悪いな」と感じた時、一度笑顔を作ってみてください。顔の筋肉をいっぱい動かして表情を変えるだけでも、かなり自分の機嫌を取り戻せます。「作り笑いは世界を変える」。ちょっと胡散臭いかもしれませんが、騙されたと思って一度実践してみてください。