Unlimitedに上機嫌

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物腰柔らかくて笑顔いっぱいの店員さんに覚えた違和感

よく行くお店によくいる店員さん。大学生にも見えるメガネのかけた好青年。ハキハキと物腰柔らかに対応してくれるので、陰ながら一目置いている。バイトがほとんどのチェーン店だから、学生アルバイトである可能性が高い。ああいう子は、すぐに就職先が決まるだろうなと親みたいなことを考える。

好印象しかない店員さんだが、先ほど対応してくれた時にちょっとだけ気になったことがある。言葉遣いだ。失礼だとは1ミリも思わなかったし、いつもの笑顔と誠実さに満ちた対応だと思った。ただ、「その言い回しって正しかったっけ?」と過っただけ。

引っ掛かったのは、「恐れ入りました」と「よろしかったでしょうか」。前者は、商品を受け取った時。プレートに置いて渡してくれたんだけど、「大丈夫です」という気持ちを込めてホットコーヒーだけを手に取った。その時発せられたのが、「恐れ入りました」。一声かけてくれた嬉しさはあったが、あまり接客で耳にしない語尾に違和感を覚えた。「恐れ入ります」は、店員さんに道を譲った時とかにも言われる言葉。ただ過去形である「恐れ入りました」は、日常的に言われたことがない。ドラマのシリアスな場万でしか耳にしたことがない。「恐れ入ります」よりも仰々しい印象を受ける「恐れ入りました」。もしかしたら、より敬意や謝意を示したい時に使われる言葉なのかもしれない。他のスタッフに比べて段違いな接客レベルを誇る彼なら、より丁寧な言い回しを使うようにしていることも考えられる。調べてみたが、辞書的には「恐れ入る」と「恐れ入りました」に大きな違いはないらしい。どちらも好意、謝意、敬服の意を示す時に使われるので、彼の言い回しは誤りでないことが分かった。

もう1つの「よろしかったでしょうか」。ちょうど昨日見たサンドイッチマンのコント「ハンバーガー店」でも出てきたタイムリーなフレーズ。コントの中では、伊達が演じる客は「その言い方やめろ」とツッコんでいた言い回し。「よろしかったですかのですか?」と、富澤による被せボケが続き正しい言い回しは分からずじまいな口語表現。「よろしかったでしょうか」は、席に着いた後に言われた。商品を受け取る場所に置き忘れていたらしく、わざわざ店員さんが自分のところに持ってきてくれた。紙一枚もゴミと決めつけずに届けてくれた対応にただただ感心したが、失礼に取られかねない定番の言い回しに引っ掛かってしまった。繰り返し言うが、その店員さんの対応に不満はない。ただ正しい知識を知っておきたいという知的好奇心に従って、この記事を書き進めている。

相手に確認を取る場合に使いがちな「よろしかったでしょうか」。文法的には誤っているらしい。確認しているのは現在のことで、「よろしかった」と過去形にするべきではない。時制を一致させた「よろしいでしょうか」が正しい表現で、「よろしかったでしょうか」は”バイト敬語”とマナー違反者として揶揄されるらしい。リズムカルな語感をもつ「よろしかったでしょうか」の方が使いやすいが、間違った言葉遣いとして認知されているので現在形を使うのが良いだろう。

言い回しを指摘するような内容になったが、コミュニケーションで大切なのは気持ちだと思う。コンビニでは、外国人がレジを務めることが多い。たまにタメ口を投げられる場合があるが、不慣れながら一生懸命に取り組んでいるときには全然許せてしまう。反対に、文法的には問題ないがめんどくさそうに対応する大学生バイトを見ると、イラっとしてしまう。誰でも言い間違いをすることはあるから、言葉の正確性だけで相手を評価しないようにしたいもの。