Unlimitedに上機嫌

「お金はかけずに学びたい」をコンセプトに、年間300冊を読む無職がPrimeReading対象本を紹介するブログです。

なぜ、中国人は優秀なのか?

Jinさん

これまで出会った中国人

なぜ優秀なのか

―エリート

ー中国人にしては

ー断定力

締め

 

かれこれ1年以上参加している読書会。オンラインで1時間、それぞれ好きな本について紹介する。この週1定例会のおかげで、何とか読書習慣を保っていられる。今回、Jinと名乗る中国人の方が参加していた。日本に住んで11年になり、個人でITシステムのコンサルをしているらしい。中国人特有のイントネーションはありながらも、どの参加者よりも優秀であることは、第一声で十分に分かった。

これまで出会った中国人は、ほぼ例外なく優秀だった。特に印象に残ってるのが、学生時代バイトしていた雑貨屋さんの社員さん。たしか、王さんだったと思う。外見的には日本人と区別できない清純派という感じで、しゃべるとちょっと訛りがあるぐらい。毎日お弁当を作って持ってきて、「いただきます」「ご馳走様」を欠かさず言っていたのを覚えている。たまにお店に顔を見せに来る社長のお気に入りだったらしく、「ほんまこの子はよく働いてくれる。君も、中国人に負けずに勤勉でいないといかんよ~」と、言われたことがある。「中国人に負けずに」と、わざわざ言う必要があるのか疑問に思ったが、300年以上の老舗企業の社長に一目置かれるのは凄いことだと思った。

彼女は、たしかに真面目だった。なんとなく中国人はガサツというイメージがあったが、王さんは商品の梱包も在庫整理も数字管理も、すべての業務から丁寧さを感じた。同年代のお客さんにタメ口ぽく接客していた自分に、「言葉遣いは丁寧にね」とご指導を受けたのを覚えている。先日、コンビニで「袋いる?」って対応してくれた、「李」さんとは対照的だ。外国人のスタッフは、日本人ない拙い感じがあって割と好きではあるんだけど。

いろんなところで、Jinさんや王さんのように優秀な中国人を見てきた。なぜ、日本で生活する中国人は優秀なのか。どれだけの人が共感してくれるは分からないが、持論を交えてその理由を考えてみようと思う。

日本に来る中国人は、エリート

大学生の街京都に住んでいる間、中国出身の留学生にも結構出会った。バイト先や大学、英会話サークルなんかで。その人たちに共通するのが、実家が金持ちであること。日本でもそうだが、子供を留学させるにはある程度裕福でないとできない。中には子供がバイトして叶える場合もあるが、親の経済的援助アリキがほとんどだろう。中国人の留学生に来日目的を聞くと、大体「日本が好きだから」と返ってきた。出稼ぎ目的で日本にやってくる、タイやカンボジアなどの東南アジア出身者とは目的が違う。「将来日本で働くのもアリかな~」ぐらいの余裕が見受けられた。子供を日本に留学させる、というのが中国で成功した人たちの通過儀礼として確立していたりするのかなと想像する。

「中国人にしては」という潜在意識

中国人の多くは、自己紹介の段階で「自分は中国人です」と名乗ることが多い。それが、「私の日本語は、若干なまっています」という前置きなのか、中国出身であることに誇りを持っているのか分からない。その言葉を聞くと、自分たち日本人はちょっとだけ甘めに見始める。発言の質は、「どう言っているか」よりも「何を言っているか」で決まる。しかし、日本語を正確に理解しているというマウントを取りがちな多くの日本人は、「日本語として正しいか」を基に相手の発言を精査する。文法的にめちゃくちゃだが、論理的に優れたことを言う外国人が結構いる。そういう人を見ると、「○○人にしては」と、過剰に評価する傾向がある。日本語を当たり前に使いこなせる日本人からすれば、「正確に日本語を話せること<論理的に優れたことを言うこと」という難易度基準を持っているからだ。今回出会ったJinさんも、まさにそうだった。ところどころ日本語的な誤りはあったが、理路整然とした論理展開に優秀だと感じた。

日本人にはない断定力

恐れずに言えば、中国人は図太いと思う。日本語も英語も話せないのに長期滞在する旅行客からも、決して非を認めようとしない外交哲学からも、図太い精神性を見ることができる。だから、多少の訛りや言い間違いも恥ずかしがらない。今回の読書会でも、多国籍な英会話の場でも、だれよりも堂々と話しているのは中国出身者だった。全体の空気を乱さないことを美徳する日本人は、そんな彼らを見て「ハシタナイ」と口では批判するが、心の中では憧れている。少なくとも、自分は。

AIよりも、まずは中国人

本でもネットでも、「AIに仕事を取って代わられる」的なことばかりを目にする。自動レジの導入やAIによる自動ニュース配信など、身近なところでも既にAIに奪われている。だが、世の中の大部分はまだまだ人力頼りが続く。それよりも、目先の脅威は中国人を初めとする優秀な外国人。実力主義を実践しようとする企業はどんどん増えていくし、日本人による日本復興みたいな論調はどんどん希薄になっていく。日本人であるという優位性が発揮できる場所は少なくなっていくだろうから、個としての市場価値を上げていくしかないだろう。手っ取り早くできることとしては、優秀な中国人を見て、文法的な正確性だけでマウントを取ることをやめる。「何を言っているか」に着目して、良いところを盗む。日本に来ている中国人は決まって優秀なのだから、彼らに成長の材料に使わない手はない。