Unlimitedに上機嫌

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10年ぶりに献血して分かったこと

献血に行った。

つい先日、健康診断を兼ねて約10年ぶりに献血をした。前回は、確か大学入りたて。大学の構内に献血カーが来ていて、興味本位でやってみた。ノリで狭い車内に入っていったものの、自分が大の注射嫌いであることを思い出した。加えて、血もムリな人間だった。どうしてこんなところに来たのかと思いながら、血を献上した覚えがある。さらに問題だったのは、血を抜かれた後。貧血体質だったらしく、外に出た時に激しいめまいに襲われた。10年も前なので、どうにか自力で帰ったのか、献血カーに送ってもらったのか、ハッキリと覚えていない。そんな三重苦があったので、10年もの間血をわが物をしてきた。

だが、会社を辞めてから健康診断を受けていない。自分としては、まあ健康だろうと高をくくっていたのだが、どうしても受けてと懇願する彼女を見て重い腰を上げた。お金がないので、1万円もする健康診断は受けたくない。てか、健康診断って1万円もするのかと驚愕した。やはり、福利厚生というのはバカにならない。退社して初めて(?)会社のありがたみを知った。

今回は、ちゃんとした場所で献血をすることにした。献血カーがちゃんとしていないわけではないだろうが、ビルの一室の方がほんの少しだけ痛くなさそうな気がする。ここでも分かると思うが、すでに痛がっている。社会的にも、個人的にも、経済的にも、三方良しであることは重々承知している。だが結局は、好きか嫌かで決めてしまうのが人間というもの。今回は、愛の勝利とでもしておこうか。最初の受付でも、ちょっとした違和感を感じた。「予約している者です」と伝えたところ、「何時ですか」と返ってきた。「なんか、もうこうもっとない?」と漠然とした違和感。別に血を分けてやりに来たとは思っていない。だが、お客さんという自覚はちょっぴりある。平日の夕方にも関わらず、何人も受付前のソファーに座っている。駅前でおじさんが声を上げるほど、ほんとに血が足りていないのか?と疑問に思ったりする。事務的な対応と混雑具合で、帰りたい度30。ここで、再度今回の目的をハッキリさせる。健康状態を知るため。目的達成のためには、血を抜いてもらわなければいけない。指定されたロッカーに荷物を入れる。

その後も、事務的な対応に従いアンケートを受ける。2度目なので、さっきほどイラッとしなかった。そうだ、ここは病院。可愛い看護師さんによる手取り足取り対応を期待してはいけない。今日のシフトを支えているのは、どうやら子育て疲れ中の主婦様方。彼女たちの日々の献身を思って、一つ大人な対応を見せてやろうじゃないか。最後に、おばさんに自販機を案内された。好きなものを飲んでもいいらしい。「真に無料なものなどこの世にない」と常々考えているが、その自販機はお金を入れずにジュースが出てきた。スゲー。これは、献血初心者あるあるの一つだろう。よく見ると変な注意書きがされている。「献血前には少なくとも2杯はお飲みください」。最低2杯は飲めなのか、最大2杯まで飲んでもいいのか。だが、文字通り読めば、前者であることは明白。だが、そんな甘い話があるわけがないと自制心が働く。とりあえず、ホットココアを選んだ。

その後、医師による簡単な健康観察を受ける。毎日100名以上を診ているせいか、裁きっぷりはほぼロボットだった。なるほど、機械的というのは、文字通り機械みたいになることを言うんだと理解した。いよいよ献血かと思ったら、その前に検査があった。そして、これが一番痛かった。指先をチクっとして血を採るやつ。血の濃さを調べるとか言っていたが、もっと優しい方法がないものかと思った。おかげで、本番の献血に対する恐怖心が膨らんだ。手が冷たすぎるのを指摘されたのち、「ジュースは何杯飲まれましたか?」という奇妙な質問を受けた。「1杯デス」と答えると、「献血までにもう1杯は飲んでくださいね」と言われた。やはり、先ほどの注意書きは「最低2杯はのめ」ということだと判明する。恐らく、献血会場かおばあちゃん家でしかされない指示を受ける。飲みたくもない2杯目のココアを何とか流し込んだ時、ついに採決室に呼ばれる。

またまた手が冷え込んでいることを指摘された。今回の看護師さんは、かなり上からで、3つもカイロを渡してきた。腕をまくり上げられ、何度もアルコールを塗られる。注射嫌いの人は共感してもらえると思うが、このひんやりとする瞬間が一番怖い。ついにブスっと来るのかという恐怖と怖いからただ目を閉じてその時を待つしかないどうしようもなさ。フライング気味で怖がっている自分を見かねて、看護師によるため口問答が始まる。「注射怖いん?」「今日何回目?」「前回は大丈夫やったん?」。そんなにも童顔に映ったのだろうか。まるで意識高い系の小学生に対する言葉遣い。まじで、イラっとした。「やっぱ辞めます」と言いかけたが、目の端にチラッと針が映った。いま急に動くと、針がブスっと刺さるかもしれない。400MLを採る針だから一刺しで大惨事を招くかもしれない。なんてことを1秒足らずで考えた結果、おとなしく刺されることを選んだ。直前の妄想のおかげで、肝心の「ブスっ」は大したことなかった。確かに痛かったが、やはりピークはアルコールタイム。その後は、目の前に設置されたモニターでぼーっと夕方のワイドショーを見て過ごした。

10年ぶりに献血して思ったこと

  • いくつになっても、注射嫌いは改善しない
  • 献血を受けると、ジュース2杯と食器用洗剤がもらえる
  • 「注射嫌い+愛想悪い」な人にすれば、コスパは悪い