Unlimitedに上機嫌

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「結婚して名前が変わる」ことに何の疑念も持っていなかった

今朝聞いていたラジオで、以下のようなリスナーからの相談が来ていた。

3年付き合った彼氏と結婚しようと思っている。だが、苗字を変えることに抵抗を覚えてしまい、事実婚を視野に入れている。彼と彼の家族には、事実婚を選択し生涯子供を産む予定はないことで合意を得ている。このことを自分の両親に話したところ、猛烈に反対された。父親は35歳までに子供を産むのが女性の務めであり、子供のことを考えるとパートナーの籍に入るべきだと主張。母は「負けるが勝ち」になることもあると主張。育ててくれた両親に自分の意志を受け入れられなくて辛い、というもの。

この相談が他人事ではないと思った部分は、女性は結婚する際苗字を変えることに抵抗を覚える点。自分も4年付き合う彼女と、来年9月に入籍を予定している。プロポーズはまだしていないが、既に結婚式のスケジュールや式場見学などを進めている。結婚まで1年と言うことで、毎日メールで結婚についての素直な気持ちや考えを伝えあおうと言ってやっていた。3週間ほどで自然消滅してしまったが、たびたび結婚の諸々については対面で話し合っている。

苗字が変わることについても、話し合ったことがある。自分の姓はかなりレア。珍しいだけならそれほど問題ではないかもしれないが、彼女の名前との組み合わせは決して良くない。中国のような「2文字+2文字」という訳ではないが、制約のない自由な決め方ができるなら、多分選ばないであろう組み合わせ。「結婚したら○○になるんだよね~」と、コミカルにさえ聞こえる名前をお茶らげながら発音する彼女。笑っていられるのは、今が「なるかもしれない」段階だからで、明日から名乗るとなった時に同じ反応をしてくれるのかなと不安になる。できるだけ平静を保って、ある時「苗字変わるの嫌じゃない?組み合わせもなんかバカっぽいし」と切り出したことがある。彼女からは「うーん、どうだろう」と微妙な反応が返ってきた。多少なりともポジティブな反応が返ってくると予想していただけに、結構ショックでそれ以来ハッキリと「苗字変わる問題」について話し合っていない。

自分は、変わった自分に合わない姓になるのに抵抗があることが、彼女の微妙な反応の原因であると決め込んている。しかし、ラジオに相談を寄せた女性のように、移行する姓とは関係なく、名前が変わること自体を受け入れられないことが根本にあるのではないかと考えた。男は、届けを出してから特に身の回りに変化はない。「問題なく相手に変わってもらえればいい」というのが、男性の本音ではないかと思う。自分も変わった姓になってもらうという不安がなければ、女性の気持ちを考えようとすることもなかっただろう。だが、考え始めたらもう気になって仕方ない。世の中の女性は、名前が変わることをどう考え、感じるのか。そのところを知りたい。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000004185.html

こちらのアンケートによると、結婚してから職場で新しい姓にした人は、約8割を占める。理由としては、「それが通例だと思うから」というもの。予想通りの結果ではあるが、理由がどこか消極的で「仕方なく感」があるのが気になる。

続いて、職場は旧制の使用について認めているのか、について。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000004185.html

 

出典:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/590242/

制度に賛成、つまり結婚してからも旧姓を名乗ってもいいと考えている人たちの意見に注目したい。大体以下のタイプに分けられると思う。

他にもあるだろうが、この中からパートナーが不安に思っていそうなのは「アイデンティティの喪失」。彼女は、自分と言うよりも家族、特に母親に対して強い責任感みたいなものを感じている、と自分には映る。結婚してからも親に会いに行ける場所に住みたいなど、結婚が家族から離れるきっかけになると懸念している節は見て取れる。近くに住むことで物理的な距離は保たれるが、精神的なものが名前を変えるという行為。離婚していて母親を筆頭とする戸籍に入る彼女。彼女以外にも2人の未婚の兄弟がいるが、将来他の2人が結婚したら戸籍には母親だけが残る。以前戸籍の話をしたときにも、母親の下に入っていることを強調していたし、自分が姓を変えることが母親を一人にしてしまうという意識がどこかにあるのかもしれない。たかが戸籍だと思わなくもないが、彼女の母親を一人にしたくないという思いには寄り添いたい。

ここまで、社会の声と自分が考える彼女の気持ちを書いたみたが、結局本人に素直な気持ちを聞くしかないという、小学生でもわかる結論に至った。とは言え、今回調べたことや想像したことは無駄ではなかったと思う。現行の結婚制度は、女性に「ノンデもらう」要素が多分にあることが分かったし、ただ待っていても完了するという男性特有の考えが自分にもあったことに気づけた。単に「結婚して苗字が変わることをどう思う?」と質問を投げても、すぐに複雑な気持ちを言語化できないと思うのが、以下のアンケートにある選択肢などを提示しながら、パートナーの気持ちを知ることができればと思う。

出典:https://www.asahi.com/articles/photo/AS20210123001806.html?iref=pc_photo_gallery_1