Unlimitedに上機嫌

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「これにしてください」と頼んだヘアースタイル4選

 先日、2カ月ぶりに髪を切りに行った。この1年は徹底的な節制をテーマに生活しているので、近所の1200円カットに行っている。中年男性3人で営む理容室。シャワー台はなく、入り口の機械で券を買うスタイル。平日の昼間にも関わらず、すでに5人が待っていた。今日は2人のカットマンで回しているようだ。1人20分を目安に回るから、30分ぐらい待つことになる。飲食店は、待つ必要のない予約できるかどうかで選ぶ。だが、散髪に関しては話さなくて済むかで選ぶ。コミュ力は決して低くないと自負しているが、性根が暗いせいか、できるだけ話さないで過ごしたい。特に、髪を切られている間のスタンスを、27年生きてきて尚見つけられていない。まず、視線。鏡に映る自分を見続けるのは照れ臭い。自分大好きナルシストだと思われるんじゃないか、ちょっとした違和感も見逃さないと意気込むクレーマーだと思われるんじゃないか、そんなことを考えると目をつぶっているしかない。

 視界を奪われた中、話しかけられるのは本当に困る。会話において最も大切なのは、アイコンタクトだと考えている。話しているのに一向に目の合わない相手は、信用できない。どれだけコミュニケーションを苦手とする人も、ほんの一瞬目を合わせる努力を見せる。目の合っている時間や頻度ではなく、合わせようとする姿勢が重要だ。最近では、スマホを見ながら話すのがスタンダードになっているらしい。だが、そういう連中とは付き合わないことにしている。根本的な価値観がずれているから、お互いの努力は徒労に終わると思うからだ。いまの時代、会話中にスマホをいじらない人は稀少だ。初対面で気の合う感じのいい印象を受けても、距離を縮める間にそういう一面を見てしまう。緊急時を除いて、一度でも見てしまうと途端に無理になってしまう。「そんな性格だから友達ができないんだ」。自分が一番理解している。最近では友達のいないことは良いことだと正当化しているので、気にしていないのだが。

 前置きが長くなりすぎた。これまでの人生で、「これにしてください」と頼んだ髪型を公開したい。

レバンドフスキ

ロベルト・レバンドフスキ【写真:Getty Images】

 先日散髪屋でオーダーしたヘアーモデル。見せたのは別の写真で、W杯で見たのがきっかけ。白髪が混じりながらも、ショートが似合う大人の男。担当してくれたおじさんは、彼を知っていたらしく「クロアチアの選手ですよね?」とリアクションが返ってきた。正確にはポーランドだが、知っているのであれば問題ないと訂正することなくお任せすることに。序盤5分間、「ワールドカップ見てるんですか?」「日本戦盛り上がりましたね」などの質問があったが、後半10分は目をつぶりハサミの音だけが2人の間に流れた。満を持して目を開けると、目の前には徴兵帰りの青年が。かなり高い位置まで刈り上げたせいで、角刈りみたいになった。めっちゃ嫌だったが、どうしようもないのでオッケーですと返答。迎えてくれたパートナーからは、思わず吹かれた。昭和の子どもみたいだと。2週間経った今、ようやくまともになった。

ベッカム

© Alamy/amanaimages

 世代ではないが、一度だけ「ベッカムヘアー」を注文したことがある。確か、小学校高学年だったと思う。理由は、ことごとくスポ少のサッカークラブに入っているやつがモテていたから。サッカーに興味のなかった当時、知っているのはベッカムロナウジーニョぐらいだった。スキッパのブラジル人は全然カッコイイと思わなかったので、イングランドのイケメンをチョイス。保育園の頃から切ってもらっていた散髪屋が、「色気づきやがって」と軽口を言ってきたのを覚えている。「今クラスで流行ってるから」という、言い訳にも答えにもなっていないことを言い返した気がする。

三井寿

スラムダンク - リョータ・三井復帰編(#21-35) - 30話 (アニメ) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA

 中学時代にドはまりしたSLAM DUNK。一番好きだったのはリョータだったが、茶髪にパーマをする勇気はなかったので点取り屋を選択。特に、出戻り1発目に見せたショートがカッコよすぎてそのコマを見せたと思う。中学からは半美容室で年の近い兄ちゃんに切ってもらうようになっていて、「みっちー、カッコイイよな」と言ってくれたのが嬉しかった。癖毛でみっちーのようにならなかったが、結局男は爽やかなのがいいなと思った。

瀬文

 

画像は「TBSテレビ/SPEC公式サイト」より引用

 ドラマ『SPEC』で、加瀬亮が演じた坊主。写真は見せなかったが、20歳で突然坊主にしようと思ったのは彼の影響。鋭い目つきで、感情的になった時に顎の付け根が浮きあがる感じに憧れた。何ミリとか分からなかったから、聞いたことのあった「ゴリン」を注文。「大丈夫ですか?」と聞かれた記憶があるが、気持ちは瀬文だったので、男に二言はない的に「大丈夫です」と答える。目を閉じながら、みるみる毛が落ちていくのを感じていた。バリカンの音が消えた時、目を開けると坊さんになった自分が。思わず笑った。ウケる。季節は冬だったこと、翌日友人の結婚式だったこと、完全なる若気の至り。今ではいい思い出。