Unlimitedに上機嫌

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「冬の女王様」と自称する歌手への違和感

 マクドナルドに入り浸っていると、嫌でも耳にするものがある。その名も、「マクドナルドミュージックバリュー」。マクドナルドの店内だけで流れる番組。2週間から1カ月のスパンでアーティストが主演し、マックにまつわるエピソードと持ち歌を紹介するやつ。その番組にて、12月の出演者である某アーティストは、自身を「冬の女王様」と称していた。彼女なりのシャレだと思うのだが、聞くたびにザワっとする。ちょっと立ち止まって、その違和感の正体について考えたい。

 違和感には、3つの原因があると考えている。1つ目が、自分を「女王様」と言っちゃうところ。「コート上の王様」や「氷上のプリンス」など、3次元でも2次元でもキャッチコピーの一部に使われる。だが、いずれの場合も他称であり、自分のことを呼んだりしない。確かに彼女は、数多くの冬ソングを出しているし、国民的な知名度を誇る。世代ではない自分にとっては、冬にしか活動しない歌手ぐらいに思っている。どれだけ実績がある人でも、自分を「王様」や「女王」と呼んだ途端にそれらはかすんでしまう。というか、コメディに変わってしまう。教師や弁護士以外で、「先生」と呼ばれる人がいじられているように。

 2つ目は、「女王」ではなく「女王様」と呼んじゃってる点。「女王」は、威厳を示したいという意図があるのかなと、まだ想像できる。だが、「様」をつける意図は何だろうか。権威性を含む「女王」に、「様」をつければより偉大な印象を与えられるという計算からだろうか。その発想は、あの国民的アニメのガキ大将を思い起こさせる。「俺」という男らしい単語に「様」を加えることで、より強い存在であることをアピールしようとする小学生。テニス漫画にも、ナルシストキャラの中学生がいる。彼らは、2次元のキャラだから許させるのであって、たとえ中学生でも自分のことを「俺様」と呼んで社会から賞賛を受けているやつはいない。また、「女王」に「様」をつけると、エロい方を想像させる危険性がある。女性はそうではないかもしれないが、エロで脳内が満たされている男の多くは、反射的に仮面をつけムチを振るう女性を想像する。

 3つ目は、彼女は「冬の女王様」なのかという点。今の40代以降の人は、歌手で「歌手で、冬の女王(様)と言えば?」と聞かれ、彼女を答える人は多いかもしれない。だが、この放送が流れているのはマクドナルド。昼以降は、高校生などの若い世代が席を埋める。昼間はサラリーマンの利用も目立つが、長居をするのはまだ給料の少ない若手。平成以降に生まれた彼女たちにとって、「冬の女王」は彼女なのだろうか。20代後半~30代は「浜崎あゆみ」や「BoA」を挙げる人もいるだろう。「私は冬ソングの人なのだ」という自覚を責めるつもりはない。これは、番組の制作サイドの落ち度だろう。どれだけ脚本通りなのか分からないが、もう少しメインターゲットを想像した言い回しを用意してくれても良かったのではないだろうか。

 ちょっとした違和感から書き始めた結果、かなり下品な文章になってしまった。先日も自分の書いた文章で傷つけてしまったし、「個人的雑記」という体をとっていても読まれるという意識は忘れてはいけないのだと反省している。ただ書きたい。でも、書けたら公開したい。そこに届けたい思いや他意はなくても、読んだ人はそれぞれに受け取る。だから、ブログと言えども「ただ書く」ことは叶わない。ネットという世界に投げ離した時点で、必ずどこかの沖にたどり着き、そこを通る誰かに届く。