Unlimitedに上機嫌

「お金はかけずに学びたい」をコンセプトに、年間300冊を読む無職がPrimeReading対象本を紹介するブログです。

「夢が実現しそうな人」第1位だった、あの頃。

 今年は珍しく予定ができたため、帰省するか迷わなかった。友達いない人のあるあるだと思うのだが、大型連休は悩ましい。実家に帰るのが普通で、地元の連れと遊ぶのが通例となっている。地元に帰った時に遊ぶ相手がいないわけではない。保育園からの幼馴染2グループとは1,2年のペースで会う。今回も帰省するきっかけをくれたのは、最近家を建てた幼馴染。27歳にして1児の父。古民家をリノベーションした一軒家を今年購入したらしい。27年生きてきて、初めて他人様で年を越す予定だ。当日のスケジュールをグループラインでやり取りしているときに、連音のDVDについての話になった。連音とは、地元の市の小学6年生が学校ごとに音楽パフォーマンスを披露しあうイベント。正式な名称は、連合音楽会だったと思う。自分たちは、変なパーカッションダンスと変な合唱曲を披露した。どんな小学生でも好まない演目になった裏には、音楽教師の趣味嗜好がある。生徒の間では「もずく」と呼ばれていた、真っ黒なソバージュがトレードマークのおばさん。ノリがいちいちズレていて、練習中から独断的なペースで生徒たちに振付を叩き込んでいた。人望もなく、何より演目がダサすぎたせいで、本番の模様を収めたDVDでも誰一人笑っていなかった。中学に上がってから、他の小学校出身者に散々いじられるだろうと覚悟していたが、そんなことは一度もなかった。詳しくは分からないが、厳重な緘口令が敷かれていたのかもしれない。

 15年の月日を経て、連音の苦い思い出は身内の鉄板の笑い話に変わる。紅白以上に、あのDVDを見るのを楽しみにしている。銀行勤めの幼馴染は、さらに懐かしい画像を送ってきた。どうやら、卒業文集の1ページらしい。「○○しそうな人」というフォーマットで、クラスで取ったランキング結果。全4問のうち、2つに自分の名前を見つける。「夢が実現しそうな人は?」第1位。「オリンピックに出そうな人は?」第2位。思わずにやけてしまった。将来を有望視されていた元小学6年生は、現在定職のない27歳。期待してくれたクラスメイトたち、ごめんよ。だが、生涯はながい。オリンピックに出ることは絶望的だが、夢の実現はまだまだチャンスはある。

 いや、待て。実現したい夢とは何か。つい1年前までは、朝起きてから行動指針と叶えたい夢をノートに書いていた気がする。あの時は、目をつぶっても手が覚えていたものだが、たった1年もすれば思い出すのも一苦労。ここでもまた、時間の魔力を思い知る。最も叶えたい夢は、畑つきの家で悠々自適に暮らすこと。縁側付きの部屋にある揺れる椅子(なんと言うのか忘れた)に座り、本を読んだり文章を書いたり。陽気が運んでくる睡魔と戯れながら、時に畑作業をしに行ったりして1日を過ごす。これを目標だと思うようになったのには、母方の祖父母の存在がある。彼らは、現在90歳前後。ばあちゃんの方が、3,4歳若かったと思う。昔から夏休みになると従妹が集まった場所。大学在学中に、一人で彼らの家に泊まったことがある。大学を休学して編入のために勉強していた期間に1週間ほど。その時に、さっき書いたような生活を送る彼らを見て憧れを抱くようになった。コロナが始まってからは、正月も顔を出していない。2人が元気なうちに、身近にある夢のカタチを見ておきたい。今年は、帰省先でやりたいことが珍しくたくさんある。