Unlimitedに上機嫌

「お金はかけずに学びたい」をコンセプトに、年間300冊を読む無職がPrimeReading対象本を紹介するブログです。

なりたい動物について考えた結果、人間の惨さを痛感した。

お題「もし1日だけ動物になれるとしたら、何になりますか?」

 

先日、一緒に住むパートナーと「飼いたいペット」について話した。現実的かは抜きにして、純粋にペットにしたい動物を3種類それぞれ発表。何でもアリと伝えたのに、「犬、カメ、鳥」という彼女の答えを聞いて、さすが女性だなと思った。こうした「いかにも女/男ぽい」という発言は、今の時代にそぐわないことは重々理解している。だが、「ヘビ、イルカ、イグアナ」と真っ先に思い浮かび発表した自分は、いつまで経ってもバカな男子学生だと思わずにはいられない。

「飼いたい」と「なりたい」は、全然違うようで似ていると思う。先ほど挙げた3種には、「なりたい」という憧れも多分に含まれている。ポイントを挙げるとしたら、「食べられないこと」と「寒くないこと」。3種とも、生存ピラミッドではそれなりのポジションに位置すると思う。生物学を専攻していたわけでもないので正確ではないが、最下層を支えるタイプの動物ではないことは確か。自分は人間だから、食べられるという想像が上手くできない。だが、豚や牛の屠殺シーンは気持ちが悪くなる。いつもはファニーに聞こえる「ブヒー」や「ホーン」という鳴き声は、悲痛の叫びにしか聞こえない。などと、さも動物愛護家のようなスタンスを取っているが、日常的に動物の肉を食べる。痛そうだなと思うが、平気で食べ続ける。まあ、一般的な人間の一人。

だが、もしなるとしたら、人間が食べない動物を選ぶ。人間ほど、多くの工程を踏んで殺す天敵はいないと思う。例えば、冬の風物詩・カニ。生きたまま地上にさらされる。そのまま熱湯に入れられる。絶命するまでの数分間、ただただ熱湯地獄を味わわさせられる。水中であれば、こんなながーくつらーい最期を迎えることはまずない。サメやクジラは、多少「ガリっと」するだろうが、それも一瞬の痛み。人間にかかれば、あの手この手でじっくりと死に追い込まれる可能性がある。イグアナもヘビもイルカも、食用として頻繁に出てくるイメージはない。少なくとも日本では、たまにゲテモノとしてバラエティー番組で提供される程度。と安心しかけたが、ヘビは財布などの皮製品に変えられるので、人間に狩られる危険が高い。人間の想像力の豊かさたるや...。ファニーに思えたお題が、ここまで人間悪を思い知らされることになろうとは。

もう1つが、ビジュアル。正直、これについては人間的な感性によるもので、動物界全体から見たら、上の3種はかなり不細工ということもあり得る。そもそも、ビジュアルを一つの価値基準としていること自体が、まさに人間的と言える。自然界において、最も重要なのは種の保存。つまり、生き残ること。美しいとかブサイクとか、生き残りにおいて本来どうでも良い。多種多様な生物のフォルムに意味を見出すのは、人間だけに許された特権。人間以外の全動物は、僕たちを「暇を持て余した美術コレクター」ぐらいに映っているのではないか。有閑種であることを自覚したうえで、ビジュアル的に「イルカ・ヘビ・イグアナ」の3種は素晴らしい。

以上、「この世で最も恐ろしいのは人間である」ことが改めて分かったお題でした。