無職になってマクドナルドを主戦場に選んだ2つの理由
会社を辞めて約1年。
マクドナルドを主戦場としてきた。
毎日1~2軒をはしごし、ゼロコーラかホットコーヒーを頼む。
この1年300回は訪れたが、フードメニューはアップルパイやポテトSぐらいしか頼んでいない。
間違いなく、自分は「今年最もマクドナルドの客単価を押し下げた男」だと思う。
なぜ、マクドナルドを選ぶのか。
1つは、安いから。
値上がりの今、100円でパソコン作業ができる空間はマクドナルドかコンビニのイートインしかない。
しかし、コンビニのイートインは長居ができない。
と言っても、自分はマクドナルドも1軒最大2時間と決めている。
貧乏にだってプライドはある。
100円しか落としていない自分は、せいぜい2時間置いてもらうのが限度。
それ以上は、無銭飲食と変わらないなんて、ヘンテコな方程式を持っている。
マクドナルドを選ぶ2つ目の理由は、底辺を見れるから。
「安かろうは悪かろう」という言葉は、品質ではなく客層を指していると考えている。
日本で最も安く時間をつぶせる故、マクドナルドにはお金を持っていない人たちが集まる。
年金で最低限の生活を送る高齢者、ギリギリのお小遣いでやり繰りする高校生、夜間になると風雨をしのぐために利用するホームレスなど。
近所の店舗は、貧困特有のにおいが充満する。
臭いの発生源は、いつも同じ格好のホームレス風の青年。
緑の大きなバッグを机に置き、ニット帽を深くかぶりイヤホンをつける。
違ったら申し訳ないが、昼間でも夕方でもいるので彼で間違いないと思う。
強烈な臭いを放つ彼の隣で、若いOLがハンバーガーにかぶりつく。
スマホに夢中だからか、単に自分が過敏なだけなのか、あまり誰も気にしていない。
臭い以外にも、利用者に共通している点がある。
それは、誰もが暇を持て余していること。
偏見であることは自覚しているが、マックでデキる営業マンを見たことがない。
どのサラリーマンも、安く手軽にサボる場所を求めてたどり着いた感がある。
その証拠に、飯を食べ終わってもスマホをダラダラといじったりして過ごす。
啓発本には、「コーヒーはチェーン店ではなく、ホテルのラウンジで飲め」と書かれている。
「成功したいなら、成功者がいる場所に身を置け」的な教えだと思うが、先述したようにこれは真実だと思う。
そう理解していても、自分はマクドナルドを選ぶ。
なぜなら、自分は下を見た方がやる気が出るからだ。
これまで何度かホテルのラウンジにPCを持って行ったことがある。
確かに、姿勢はいつもより良くなるし、服装だって気に掛ける。
だが、数分経って場に慣れると、既に成功したと錯覚してしまう。
これは、セミナーと同じ作用だ。
意識系の同志に囲まれ、意識高い系の話を聞いているうちに、自分が成功を収めた気分になる”あれ”。
非常によろしくない。
底辺の人たちが大半を占めるマックでは、これと全く逆の作用が働く。
「スマホをダラダラいじっていたら、この人たちと同じになる」「自分もいつか愚痴しか発さない人間になる」みたいな反骨精神が生まれる。
自分は、自分をひねくれた人間だと分析している。
小さい頃から、「こうしなさい」「みんなやっているから」と言われるのが大嫌いだった。
休学してわざわざ大学を編入しようと決めたのも、周りの人たちと同じステータスは嫌だと思ったからだ。
自分は、恐怖や嫌悪で動く人間だと思っている。
全くめどは立っていないが、もし年収1,000万円になっても変わらずマックを主戦場にしたいと思う。