『異邦人 いりびと』著:原田マハ|「京都は日本人のふるさと」なんかじゃないと思う。
こんな人に読んでもらいたい
- 京都にあこがれを感じる
- 芸術に興味がある
作品情報
作者 | |
ジャンル | 小説・人間ドラマ |
ページ数 |
421 (読み終わるまでの平均:5時間21分) |
キーワード | 京都・扉・美 |
あらすじ
「美しさ」は、これほどまでに人を狂わすのか。
たかむら画廊の青年専務・篁(たかむら)一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長逗留していた。妊婦としての生活に鬱々(うつうつ)とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗画廊で、一枚の絵に心を奪われる。強い磁力を放つその絵の作者は、まだ無名の若き女性画家だったのだが……。彼女の才能と「美」に翻弄される人々の隆盛と凋落を艶やかに描く、著者新境地の衝撃作。出典:Amazon
本書と自分
- なぜ読もうと思ったか・・・
- 原田マハの小説は面白いと知人に勧められたから
- なにを得たか・・・
- 京都への憧れが強くなった
- 好きな一節・・・
君と京都がただならぬ関係になってしまったことに、嫉妬している
個人的な感想
京都に魅了されたきっかけは母だ。
小さい頃から京都はすてきな街だよと教えてくれた。
過去の話をしたがらない母からは、どこらへんが、どう素敵なのか聞けなかったけど、京都への憧れは募っていった。
一時アーバンボーイに憧れて、東京行きも考えたが京都の大学への進学を決めた。
途中2年の浪人生活を含めて、6年間京都で一人暮らしをした。
昔から神社やお寺が好きだったこともあって、自転車があれば憧れの場所に行くことができた。
お気に入りのお寺には通い詰めた。一日5時間ぐらいぼーっと縁側にいたこともあった。
京都暮らしが慣れていくにつれて、そうした散策も少なくなって行った。
たまに遊びにくる母を案内するために、アップデートするぐらいの頻度になっていった。
でも、熱が冷めて行った原因は、"飽き"ではなく"報われなさ"だった。
どれだけ通い詰めても、どれだけ好きだと思っていても、自分は一"観光客"だった。
異邦人、余所者なんだと思い知った。
それでも、将来は京都に住みたい。
北白川あたりで畑付きの家で悠々自適に暮らすのが僕の夢。
このことを話すと、「京都は余所者を受け付けない」「一軒家は難しいと思うから、マンションにしたら?」と言われる。
こういう人たちも異邦人だよね?と疑問に思いながらも、今のままではこの夢を叶えるのは難しいだろう。
魔法のように開かずの扉を開かせる達人
その人と出会うまで、異邦人として阪急電車に乗って京都に通おう。
世間の評価
Amazon | 4.2/5(656) |
honto | 4.0/5(126) |
楽天ブックス | 3.6/5(163) |
個人的な評価
総合 | ★★★★ |
読みやすさ | ★★★ |
読み応え | ★★★★★ |
もう一度読みたい度 | ★★★ |