Unlimitedに上機嫌

「お金はかけずに学びたい」をコンセプトに、年間300冊を読む無職がPrimeReading対象本を紹介するブログです。

年末年始に消費したコンテンツ4選

後半はコロナ疑惑もあったが、この年末年始も充実した時間を送ることができた。初めて出会う人や経験もたくさんできて、熱に苦しめられた数時間を払って余りも十分に楽しい5日間だった。今回は、年末年始にハマったコンテンツをご紹介。

みんなで早押しクイズ

元日の初詣から帰ってから、何をしようかと話合っていたときに兄か弟から出てきた暇つぶし案。「みんはや」と言われても何事か分からなかったが、言われるがままアプリをダウンロード。「みんなで早押し」略して「みんはや」。どうみても、大人数で集まった時にやる系のゲームだろうから、一緒にやる友達のいない自分が知らなかったのも納得がいく。クイズは大好きなので、つい「クイズいいね!」と声が出る。ルールを理解するまで10問近くをムダにしたが、途中からは白熱した戦いが続いた。計10時間。まだ若い息子連中らは理解できるが、驚愕したのは今月62歳になる母親のハマりっぷり。20代と張り合える反射神経、そして当たり前のようにゲームに参加する持久力。1年ぶりに顔を見た時は老けたと思ったが、頭やメンタルはまだまだ若さを保ってくれているようだ。嬉しい。時間を忘れてみんなで盛り上がることができる、これこそ年末の醍醐味だなと、たまにウルっと来てしまった。1年後にはその存在を覚えているかも怪しいが、来年も脳から湯気が出るまで「みんはや」したい。

劇場版呪術廻戦0

PrimeVideoの広告でよく目にした1作。世間での人気ぶりは知っていたが、何となく見てこなかった「呪術」。どこかのブログで、アニメ版はオモワッテル旨の記事を読んだのが原因だと思う。10点満点の総合評価は、6点。可もなく不可もなく。想像していたよりも大人しかったというのが全体の評価。描写もそうだが、「呪い」の持つおどろおどろしさが物足りないと感じた。幼少期に見ていたのもあるだろうが、『地獄先生ぬ~べ~』の方が見た後トイレに行けない怖さがある。噂には聞いていたが、この作品の主役は五条悟なんだと思う。戦闘シーンはほとんどないが、あの碧眼と敵役からも「最強」と呼ばれるところを見ても、結局最強の先生が何とかしてくれるみたいな設定なんだと思う。最強キャラが主人公側にいてくれることは心強いし、乙骨に感情移入する視聴者としては安心して見ていられるのだが、サプライズが足りない。敵が乙骨を分断させる作戦をとったときも、結局五条先生が空間移動して助けに来てくれるんでしょと想像しまった。実際に、空間移動してきたのはパンダとおにぎりだったが、最強が味方にいるおかげでハラハラドキドキ感が削がれるのを感じた。バトルものでは必須の最強キャラ。役割次第で作品の成否を分ける諸刃の剣になると感じる一作だった。

容疑者Xの献身

冬になると見たくなる、個人的邦画No.1作品。かれこれ10回近く見続けられるのは、古びない魅力にある。演技力とプロット力。本作はガリレオシリーズなので、当然主役は福山雅治。しかし、影響力を考えれば間違いなく堤真一。まるで役が息づいているかのように、堤真一と彼の演じる数学教師との境界線が分からない。薄着にネックウォーマー姿で通勤する感じも、誰も聴いていない中ニヤニヤと数式を書き込む感じも、もはや作り物だと思えない。特に、親子が殺害を犯した後に扉越しで会話をかわす1シーンは毎回鳥肌が立つ。相手役の松雪泰子もそうだが、絶妙な間が生む緊張と核心に迫る「ゴキブリじゃないんでしょ?」。無音で開かれる扉は、3人の間に結ばれる共犯関係を暗示していて一種の興奮を覚える。

東野圭吾作品はプロットが凄いと言うと、最近になって本を読み始めた中学生に思われるかもしれない。しかし、敢えて言いたい。この作品ほど美しく構成されたものを知らない。複数回見ているので、トリックは全て把握している。しかし、それに湯川らが気づく過程が綿密すぎる。「幾何の問題に見えて実は関数」というセリフがその代表で、これを最初に聞いた刑事にとっては意味を持たない言葉。しかし、湯川にとっては違う。それに至る流れ(学校に訪れ石神に聴取する、その日が追試で石神の出題パターンを聞く、後日湯川に進捗報告する)に不自然な様子が全くない。内海一人では正確に思い出せなかったため、一応帝都大学出身の草薙がその場に同席しているのも自然に思える。映画や小説、アニメなど、年を重ねるごとに数を見るようになると自然と批判的な見方をするようになる。特に、流れに違和感や無理がないかを見てしまう。この作品は、何度も批判的な見方をしてきたのだが、見るたびに毎回感心してしまう。本当によくできた作品だと。

リチャード・ジュエル

クリントイーストウッド作品を見ようと検索したら出てきた作品。実話をもとにしたらしく、所々実際の映像が流れる。タイトルは主人公の名前であり、1996年アトランタ五輪の爆弾テロの容疑者。彼は、中小企業施設で備品係や大学で警備を務めるなど、正義感に溢れているが社会に馴染めずにいた。地元アトランタで開催されるオリンピックのイベントの警備員として雇用されることになる。持ち前の正義感とルールに従順な性格から、来場者が浮かれる中現場に目を光らせ続ける。どんちゃん騒ぎする若者集団を見つけ注意するも、警備員である彼の言うことには従わない。2人組みの警官を連れ、再度彼らのもとへ。酔っ払いたちを離散させることはできたが、その場に置き去りにされたカバンを発見する。警官たちは誰かの忘れものだろうと無視しようとしたが、リチャードはマニュアルに従い爆弾処理犯へ連絡することに。慎重に中身を確認すると、そこには3つの筒と火薬が。いち早く爆弾の存在に気づき、来場者の非難を促したリチャードを、メディア各社は英雄と称えた。本の出版を持ち掛けるなど、一日で有名人となった警備員。しかし、FBIが第一発見者であるリチャードを容疑者として捜査していることがマスコミに漏れると事態は一変。英雄の仮面をかぶったテロリストの烙印を押されることに。

あえてこの作品を評価するなら、10点満点中7点。全体的に意外性はなく、よくある実話に基づいた映像作品だという印象。ハッピーサプライズもないが、これはおかしいだろうと感じるマイナス点もない。最もよかったのは、リチャードの演技。正義感に溢れた魅力的なキャラクターを見事に演じていると思う。実際のリチャードがどうかは知らないが、自分が信じる正義に真っすぐでブレないやつってたまにいるよね~って思わずにはいられない人間性。普段感情を表に出さないリチャードが、担当弁護士と言い合うシーンは見どころ。自分はこんなにも正義を貫いている、でも社会は自分をデブや偽善者だとののしる。法や秩序を守る警官やFBI捜査官だって、自分を仲間だとは思っていない。リチャードが蓋をし続けていた本音が噴出する。ラスト20分を残してこの記事を書いているので、リチャードがどんな最後を迎えるのか分からない。しかし、自分にはリチャードが英雄に映った。

リチャード・ジュエル(字幕版)

リチャード・ジュエル(字幕版)

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