人生で初めて、真剣に聞き耳を立てた
つい先ほどまで、30分近く聞き耳を立てた。赤と黄がトレードマークの某ファーストフード店。初めはちょっと声がデカい2人が喋っているなぐらいに感じた。彼らが話し始めて2,3分経った頃、不動産の商談であると分かる。マクドで不動産?いけない、店名を書いてしまった。ここは、日曜日の駅スグの狭少店舗。場違いな商談に思わず、作業の手は止まりかける。集中し直そうと、イヤホンをつけるが背後の会話が漏れ聞こえる。1分も経たずに、元の体制に戻り本格的に聞き耳を立てる。会話の内容は、ざっとこんな感じだ。
- 声の主は、家を建てようとする個人(中年男性)と不動産の営業マン
- 前に担当していた営業マンに、クソみたいな対応をされた
- 今回の担当者は、家を建てようとしている土地の出身
- 地元トークでそれなりに盛り上げる
- クライアントの男性からは、担当する不動産会社に対する不信感が伺える
- 新しい担当者は、聞いている感じマトモ
会話は3部構成で進んだ。序盤は、あいさつ。ビジネスの商談で見られる、当たり障りのない会話。中盤は、進捗と今後のスケジュール共有。土地の調査は無事完了していること、来週基礎工事が始まることなどを話していた。終盤は、前任担当者と不動産会社への苦言。ここが、一番聞き耳の立て甲斐があった。「御社の改善すべき点で企画書を作るとなればゴリゴリ書ける」と豪語する施主さんが語る、前任担当者への苦言は以下の通り。
- 商談中、許可なくすべての電話に出る
- ショールームについての案内ゼロ
- 2カ月間、音沙汰ナシ
- レスが異常に遅い
他にもたくさんあったが、あまりの熱量に聞き入ってしまった。続いて、不動産会社への苦言。
- 謝りに来た元担当者の上司も、分かっていない
- 元担当者は人気営業マンと説明されたが、事実であればロクな会社じゃない
- これまで自分のような被害者がいない、クレームが入らなかったことが不思議
- 数字だけを評価基準にしているから、マナーのなっていない営業マンが生まれる
などなど。いつか家を購入する際には、しっかりと不動産会社を見定めようと思った。途中「そんな対応最悪な会社に頼み続けるのか?」疑問に思ったが、既に売買契約を結んだ後だったんだろう。それは、新任の担当者の「土地を仕入れるのが仕事」という発言から推測した。FP3級の勉強をしている彼女に教えてもらった「専売売買契約」というやつかもしれない。特定の会社と契約を結んで、土地や建物の売買をすること。中身は知らないが、今持ちあわせている知識ではこれ以外考えられない。
ひさしぶりに、真剣に聞き耳を立てた。一時コンサル的な仕事をかじっていたから、ビジネストークが耳に入るとついつい耳を傾けてしまう。絶対に職業病ではないが、自分は商売の話が好きなんだと再認識した。