無職、マウンテンバイクを買う。
こちらの記事でも書いたが、約10年を共にした愛車と昨年末にお別れした。今はパートナーのママチャリを借りている。しかし、3日後には月に一度の食料品の買い出しを控えている。米やボトル詰めされた調味料を求めて、約2キロ先のスーパーをはしごする。どうしても自転車が必要だ。
体調不良で帰省期間が短くなったこともあり、年末年始の急な出費は抑えられた。しかし、新しい「アシ」にかけられる金額は限られている。2万円だ。10年ちかく乗り続けていたこともあり、前回の自転車と同タイプのクロスバイクが欲しい。実質1万円台でクロスバイク。年末に近所の自転車屋を覗いたが、2万円以内で買えるのはママチャリぐらいであることを知った。ネットではどうかと調べてみると、結構ある。ただどれも自分で組み立てないといけない点やチャッチー点などが気になり、本腰を入れてリサーチはしていなかった。刻一刻とデッドラインが迫る中、今日は新しい自転車を決める気になった。今回は、新しい愛車を決めるまでのいきさつを書き留めようと思う。
この記事が役に立つかもしれない人
- 低予算(2万円前後)でクロスバイクが欲しい
- ネットショッピングにやや不安がある
ネットで調べる
ポイントを貯めたい気持ちもあって、Amazonではなく楽天市場で商品検索をした。「クロスバイク」で検索し、25000円以内と☆4以上、送料無料を条件に入れ、レビュー件数順で表示させた。だいたい100件くらい結果がでた。しかし、1つの店舗が型番の同じ違うカラーを複数出品しているケースが多く、実際には20種類くらいの商品しか該当がない。レビューがついていないやつを除外すると、残るのは5,6択。その中で、7割以上が完成された状態で届くものは、以下の3つに絞られた。
いずれも税込みで2万円からちょっと出るが許容範囲だと割り切って、この中から決めようと思っていた。それぞれのレビューで1つに絞ろうとしたのが、運の尽き。というか、ネットショッピングあるある。低評価に絞って見ると、「誰が買うねん」とツッコミたくなる内容のオンパレード。どの商品も低評価の内容は、だいたい同じ。
- フレームが弱すぎて、数カ月で壊れた
- 届いた時点で傷や欠陥があった
- 説明書が複雑すぎる
- 組み立て部品が足りない
- ブレーキ、ライト、その他パーツが、機能しない
説明書や初期の傷は見逃せそうだが、フレームやブレーキなどの問題はシャレにならん。クロスバイクにこだわるのは、ある程度スピードが出るから。前の愛車を廃棄する寸前は、左ブレーキが利きにくかった。その時は、「すぐに廃棄するから、ブレーキをかけないでいいようにゆっくり走ろう」と思えたが、買ってすぐにそれが訪れるかもしれないと考えると怖くて買えない。しかも、どの商品も購入から7日以内に完了させない返品保証はされないらしい。そして、どの販売店もメールのみでの対応で、いつまで経っても返事が来ない旨のレビューも散見される。仮に組み立てがスムーズに済んでも、試運転中に欠陥が見つかっても、処理完了をするまでに7日を過ぎることは十分に考えられる。というか、そのビジョンしか浮かばない。そんなこんなで、ネットで安いクロスバイクを買うことを諦める。
自転車屋に探りを入れる
ネットがダメなら、店頭で買うしかない。ちょろっと覗いた近所の店には、予算に見合うクロスバイクは手に入らなさそうだったが他の店にはあるかもしれない。ネットで「地域+自転車」で検索し、表示された店舗5件ほどにかける。1軒目は、関西一円でチェーン展開している自転車屋。「2万円以内でクロスバイクを探しているんですが」と尋ねると、「そんなのどこの店舗でも置いてませんよ」と半ギレされる。多少イラっとしながらも、これまで何度かタダで空気入れを入れさせてもらったこともあるので、「そうなんですね。では、最低いくらぐらいしますか?」と聞きなおす。「3万後半じゃないですかね」と、またも不愛想に答えられたので、お礼を言い電話を切る。「え、自転車屋って愛想悪かったっけ?」と思いながらも、続いてスポーツ用品店に電話をかける。今回は3万円以内に上げて買えるものはないか、に変更して尋ねた。すると、「クロスバイクと言っても2種類あるんですよ」という、想定外の答えが返ってきた。スポーツ用品店らしいと妙な納得しながら、丁寧な解説を興味深く聞き続けた。5分以上にわたるご高説を要約すると、以下の通り。
- クロスバイクは、マウンテンバイク型と街乗り型の2種類ある
- マウンテンバイクの方が安く、街乗り型は本体だけでも5万円はする
- 本体以外に、スタンドやカギ、ライトなど、買わないといけない場合がほとんど
- 実際にかかる費用として、本体とは別に1万円は見ておくと良い
合計で7件ほどにかけたが、まともに相談に乗ってくれたのはスポーツ用品店ぐらいだった。「3万以内でクロスバイク」という、非現実的な予算が自転車屋さんの癪に障ったのか、自転車屋さんたちは往々にして不愛想なのか分からないが、唯一ちゃんと対応してくれたスポーツ用品店に見に行こうと決めた。
スポーツ用品店に行く
電話では、マウンテンバイク型のクロスバイクなら、2万円ちょっとのやつがあると言っていた。新年の広告商品だから、来週には3万円の通常価格に戻るということも。やや営業トークくさかったが、不愛想な自転車屋で買うよりはずっとましだと思い、広い店内を周回し自転車コーナーを見つける。確かに、22,000円のマウンテンバイクがあった。白色のボディで見た目も悪くない。前回の愛車のような、ビビっとくる感覚はないが、お手頃な価格と無骨なビジュアル嫌いではない。電話で対応してくれた方の話を聞きたいと、野球コーナーにいたスタッフに尋ねる。その方は、いま目の前でローラーブレードを説明している方らしく、応対が終わるまでその付近で待機することにした。
対応を終えやってきてくれたのは、スキンヘッドな50代前後の男性。いい柔軟剤の香りが漂う誠実そうな人で、さきほどの電話の件もあり出足良好。電話同様、いろんなことを教えてくれた。覚えているかぎりのことを、箇条書きにしておく。
- 価格の相場は、街乗り型5万円~、マウンテンバイク3万円~
- 高さは、サドルの付け根~べダルまでを言う
- 170センチの場合、430ミリか480ミリ
- ブレーキには、いくつかの種類がある
- ホームセンターなどで売っているクロスバイクは、ルック車と呼ばれる
- ルック車は、フレームなどが弱いことが多い
- Vブレーキは最も止まるのに優れている、ロードバイクに使われているものは「止まる」よりも「減速する」ためのブレーキ
- 同列店でも、自転車は完成品を移動させることはできないらしい(引っ越しに当たるから)
- 自転車は、7割か9割完成された状態で届く
- 7割完成は前輪が外れている、9割完成はペダルとサドルが外れていることがほとんど
- ネットで買ったものを組み立ててくれる自転車屋はほとんどない
- ネットで買ったものはフレームや車輪が歪んでいることが多い
- 歪みを直すためには、回転させながら時間をかけて治さないといけない
- 量販店で買う場合も、検査や点検が必要なため受け取りに1~2日かかることがある
結局、広告商品のマウンテンバイクを購入した。階下のホームセンターでルック車を買うのもアリだと思ったが、電話と来店時の丁寧な接客してもらったこともあって購入を決めた。3日以内に手に入るという条件を外せば選択肢が増えたかもしれないが、これも何かの縁。ネットの情報をスプレッドシートにまとめるなどを経ても、結局は人で決める自分は根がアナログだなと思う。